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マッスルとマシュマロ
第22章 邂逅
車から降り、正弘をみると、大きく破顔して、そばに寄って肩を抱いた。
「久しぶりだな!」
正弘は何も言えず、体を硬くしていると、竜馬の後ろから降りてきた女性に笑いながら言う。
「こいつとは、実は中高の同窓なんだよ。三つ下で、可愛がってやったんだ。」
女が、正弘に駆け寄るようにそばに来て、丁寧に頭を下げる。
「秘書の高田美久でございます。」
美久は、柔らかそうな長い髪をふんわりとカールさせ、ベージュのワンピースに、細いピアスとネックレスをした、美しい女だった。
張り出した胸とくびれたウエストが男の目を引くほどのスタイルの良さだった。
正弘はその久美の丁寧な挨拶に救われるように自分を取り戻し、胸のポケットから名刺入れを取り出し、久美に名刺を差し出す。
「デベロップメデスンの平井でございます。」
室長が慌てたように竜馬に名刺を差し出し、それを受け取るために、竜馬が正弘の肩から手を離す。
正弘は平然とした態度を装っていたが、心は早鐘を打っていた。
竜馬先輩が、ここに・・・。
それでも、正弘は平静を装って、竜馬たちを案内する。