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マッスルとマシュマロ
第31章 二組の約束
その時、理人が楽しそうに大きな声で久美にねだるように言う。
「そうだ、久美さん、今度のトレッキングのトレーニング、宏樹さんと平井様も呼びません?」
久美は、宏樹と華を交互に眺めながら考えている。
「そうね・・・|
「いいですよね、何部屋もある別荘なんでしょ?」
甘えたように言う理人に、仕方がないな、という雰囲気で久美が今の会話を説明してくれる。
「来週の週末、うちの親の別荘の近くが、紅葉の綺麗なトレッキングコースがあるのよ。
トレーニングを兼ねて、そこに一泊2日で行こうかって。」
華と、一泊2日で?
しかし、家庭があるから無理なのか・・・。
「平井さん、どう?」
久美が聞くと、華は、少し躊躇いながら、答えた。
「普段は、家族がいるので、週末はダメなんですけど・・・ただ、その週末は、息子も合宿で・・・夫も出張で、いないの・・・」
宏樹は一瞬息を呑む。