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マッスルとマシュマロ
第32章 湖畔
二人は、爽やかな高原の空気と、抜けるような青空の下で、寛いだ気持ちで話をしながら、木道の上を歩いている。
柔らかな日の光、湖畔の道。
宏樹は、初めて、公園で華の隣を歩いた日を思い出していた。
あの日は、熱があって・・・でも、楽しかった感触は覚えていて、そして、そのあと、華と繋がったのだ・・・。
宏樹はその時のことを思い出して、歩きながら、華を見る。
華も、宏樹を見上げた。
本当に、正弘さんによく似てる。顔や体つきもだけれど、こんな風に、寡黙なところも、佇まいの雰囲気も・・・。
華の中では、ずっと恋しかった夫に宏樹を重ね、そしてその男に、生まれて初めての心からのエクスタシーを授けられて、この三週間は夢の中のようにふわふわとしていた。
華の頬は上気し、潤んだような、エロティックな目で宏樹を見ている。
宏樹はまた、その瞳に見られるだけで、心が高鳴った。
木道が森に続く小道とつながり、緩やかにカーブしていて、久美と理人の姿は見えない。
宏樹と華も木々に囲まれている。