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マッスルとマシュマロ
第33章 焚き火の前で
トレッキングの心地よい筋肉の高揚と、その後の温泉や食事でくつろいだ四人は、コテージのウッドデッキの焚き火を囲んで、冷えた白ワインを楽しみながら、秋の夜を過ごしていた。
久美の家のコテージは、すぐにでもペンションが開けそうなほどの大きさで、このウッドデッキの焚き火台も作り付けで、その周りにはラウンドソファが設えてある。
ソファの上で、久美は理人に肩を抱かれながら座っていて、宏樹と華はその斜め向かいに少し離れて座っていたが、宏樹は久美たちから見えない焚き火台のテーブルの下で、華の手を握っていた。
華は、そんな宏樹にされるがままに手を預けていて、くつろいだ雰囲気で白ワインを飲んでいる。
星が輝く夜空の下、周囲からは虫の声がひっきりなしに聞こえていて、時々、薪の爆ぜる音がする。
四人は、夕食から今まで飲んでいて、それなりに酔っていた。