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マッスルとマシュマロ
第38章 引力
月曜日の早朝、正弘は、普段より早く目が覚めた。
気がつくと、隣には、華が寝息を立てている。
正弘はそんな華を起こさないようにそっとベッドを抜け、バスローブを着てキッチンに降りた。
湯を沸かし、自分でティーパックの紅茶を淹れて飲む。
その間も、浮かぶのは竜馬のことばかりだった。
あの、ホテルに呼び出され、犯されたいという師長の痴態と、竜馬の胸をえぐるような言葉・・・でも、華を抱きながら、竜馬が自分にくれた快楽の意味に気づいていた。
(竜馬さんは、僕にだけ、あの優しい言葉や、優しい口付けをくれる・・・他の女たちには、激しい性交しかしないのに・・・)
正弘も、華を抱きながら、華が感じる場所を探り、華をいかせてやろう、とまぐわったのだ。
それは、相手を深く思うからこそできることなのではないだろうか・・・。
正弘の胸は、竜馬に自分が愛されているのではないか、という希望で高鳴っていた。
その時、正弘の手元のスマートフォンが振動してメッセージを浮かび上がらせた。
竜馬からだった。
<昨日のホテルにいる。来てくれないか。>
正弘は昨日のホテルでの痴態、竜馬の態度を思い出し、胃を掴まれるような苦しさを覚える。でも、その後には、優しく耳元で囁きながら一番気持ちのいいところを突いてくれる優しい竜馬の声が聞こえるようで、背骨の奥をくすぐられるような快感が思い出された。
正弘はメッセージを返す。
<お一人ですか?>