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マッスルとマシュマロ
第44章 嫉妬
正弘がもっと快感を求めたくて身を捩った時、どこかで振動音がする。
それは、正弘のスーツジャケットの内ポケットに入れたスマートフォンだった。
ああ・・・今、何時なんだろう・・・こんなところで僕は・・・きっと、会社からだ・・・。
竜馬にいじりまわされ、快楽の中にいた正弘はすぐに動けない。
竜馬が枕元のタオルで手を拭き、ジャケットの中の正弘のスマートフォンを取り出しその画面をちらっと見ながら、正弘に手渡す。
正弘は、まだジンジンと快感の余韻のある股間の感触にふわふわしたまま、スマートフォンの画面の時間と、着信相手が(瑞原悠)となっているのを見て、慌てるように応答してしまう。
「もしもし・・・?」
時刻は9時半を過ぎていた。いつも、会社に出勤する時は、正弘は8時半にはきちんと着いているのに、今日は連絡もなく、いつもの時間から一時間も現れないことに不安を抱いた秘書からの電話だった。
電話の向こうで、ハスキーな声が心配そうに呼びかける。