この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
マッスルとマシュマロ
第46章 束縛
(長野のラボでトラブルが発生したので、今日からそちらに泊まり込みます。
おそらく週末までかかると思います。)
正弘は、昼過ぎに華にメッセージを送った。
その日、初めて嘘をつき、仕事を休んだ正弘は、朝から竜馬に何度もイカされ、気を失うように微睡んで目覚めた。
隣を見ると、竜馬は目をぼんやりと開いたまま、まだ天井を見ていた。
その姿を見て、正弘は、竜馬にそっと提案した。
「竜馬さん、しばらく、長野に、一緒に行く?」
竜馬は、ゆっくりと視線を正弘に向けながら、小さな掠れ声で聞き返した。
「長野?」
「うん、しばらく、あのコテージで、ゆっくりするといいよ。」
こんな目つきのまま、竜馬を、その地獄のような場所に帰せない・・・正弘はそう思っていた。
「お前も、一緒に、行ってくれる・・・のか?」
「うん・・・僕は、今週、どうせ水曜日から金曜日まで行く予定だったから・・・。」
竜馬が正弘を抱きしめて、深いため息をついた時、少なくとも今週は、竜馬のそばにいよう、と正弘は決めていたのだ。
正弘の提案に、やっと少し安心したのか、竜馬が寝息を立て始める。
正弘は、眠った竜馬を起こさないように。そっとシャワーを浴び終えると、華に、今週はラボにずっと行っている、と送っていたのだった。
そして、PCを開き、メールを見て、急ぎの案件を処理する。
集中して作業していたせいか、ふと気がつくと、竜馬が顔をこちらに向け、正弘を見ていた。
竜馬は、もう、10分以上、そうして正弘を見つめていたのだった。