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マッスルとマシュマロ
第46章 束縛
ホテルの大きな窓を背に、バスローブで、洗いたての少し乱れた髪のまま、PCに向かう正弘。
豊かなグレイヘアと、細めのシニアグラスが、年相応の落ち着きを見せ、何より、集中してPCを見ながら、ブラインドタッチで素早くキーを叩く姿は、仕事にしっかりと打ち込んで、人生を築いてきた男の色香が漂っていた。
初めは、ただその姿の美しさを見ていた竜馬には、次第に言いようのない気持ちが浮かんでいた。
この男を、もっと自分だけのものにしたい・・・。
その思いは、ついさっきまで、絶望の淵にいた竜馬の心を激らせ始めた。そして、そんな気持ちの動きが、竜馬にもわかる。
心に、エネルギーが戻ってくる感触があった。
どうやって、この男を、俺だけのものにしておけるのか・・・。
そんな妄想を走らせている時、正弘のスマートフォンが振動して、正弘は竜馬の視線にに気づかないまま、それを開いた。
華からだった。
(承知しました。お疲れ様です。着替えなどはどうされますか?)
正弘は一瞬考え込む。
確かに、今日から6日間となると、着替えなども必要だ・・・。
考え込んでいる正弘に、竜馬が声をかけた。
「正弘・・・大丈夫か?仕事、調整が大変なのか・・・?」