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マッスルとマシュマロ
第7章 欲張りな元カノ


「知ってるわよ。最初に中出しする時に言ってたじゃない。体外受精でいいのよ。」


 美咲は貪欲な顔で言った。


「夫もなんとか医者になったけど、あの人、頭悪いのよね。お金積んで三流医大出てなんとか跡を継いでるけど。息子もなんだか、頭悪いみたいで。」


 そして、あっけらかんという。


「次の子には、あなたみたいな優秀な遺伝子もらって、優秀な子を作りたいのよ」


 宏樹は、呆気にとられるような思いになる。


「お前、どこまで欲張りなんだよ・・・」
「婦人会だと、夫のステイタスと、子供のステイタスが必要なのよ。」


女性の身体は神秘的だが、女の欲望は、果てがなく、怖いくらいだ・・・。


 宏樹の侮蔑に満ちた視線に気付いたのか、美咲は冷たい顔で立ち上がり、何事もなかったように言う。


「言ってみただけよ。では、また、再来週、お願いしますー。」


 そして帰っていく。



 宏樹は、心の中に、言いようのない嫌悪感が広がっていくのを感じていた。

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