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マッスルとマシュマロ
第8章 エディプスコンプレックス
宏樹は、家庭的でふくよかな女性に弱い。
それはどうしてなのか、宏樹自身もわかっている。エディプスコンプレックス、というやつだ。
宏樹の母親は官僚で、宏樹が小さな頃からほとんど家にいなかった。
宏樹には父もいない。学生時代宏樹ができてすぐに別れ、それ以来、母が宏樹を育ててきた。
育てたと言っても、それは経済的なことで、実際に育ててくれたのは花村さんという、住み込みの家政婦だった。
母と同じ歳の家政婦の花村さんは、でっぷりとした、白い肌の優しい人だった。
宏樹にはとっては、精神的には母のようなものだ。
いつも宏樹の帰りを待ち、寝かしつけ、悲しいことがあれば抱きしめてくれて、楽しいことは二人で大笑いする。
小さな頃は、一緒にお風呂にも入っていた。
小学校くらいまでは、一緒にお風呂に入るたびに、その乳房をタプタプと揺らす悪戯をしていたものだった。
宏樹は、そんな豊満な女性を精神的に求め続けている。
高校で、心理学の文献を様々に読み、自分の性的な好みが何故そこに行き着くのかを知った。
そして、宏樹は、それを面白い、と思っている。
近親相姦を忌むべき遺伝子は、何故か自分の近親者に惹かれるプログラムを組み込んでいるのだ。