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マッスルとマシュマロ
第8章 エディプスコンプレックス
夏菜子とは、いわゆる生殖年齢を過ぎた女性の性のあり方について、共同研究している。
宏樹はもっぱら身体的な探求をし、そこに文化的な考察を加えるのか夏菜子の仕事だ。
宏樹は今日もデータを持って夏菜子の研究室を訪れた。
夏菜子は52歳、宏樹の母と同じ歳だ。ショートボブの髪に、いつもエスニックな感じの大きなイヤリングと、ネックレスをしている。
目尻や口元の皺は深いが、頬はふっくらとしていて、笑顔になると可愛らしい感じになる。
そしていつも、コットンのフワッとしたワンピースを着ていて、石鹸のような香りがする。
その香りは、昔、宏樹を育ててくれた家政婦に似ていて、宏樹はいつも甘えたような気持ちになるのだ。
何でも相談できて、夏菜子に研究の報告をするのは嫌いではなかった。