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愛妻を抱かせる
第5章 私なら大丈夫
私はすっかり日常を取り戻し、晩御飯の支度にとりかかっていました。

しかし、その日は主人の様子がおかしかったのです。

主人がそわそわしているのはわかっていました。

ずっと携帯で誰かとやり取りしていたのです。

嫌な予感は的中です。

「ちょっといいかな?」

はい来た。

「なあに?火をかけてるからあとでいい?」

主人はキッチンに出たり入ったり、落ち着きがないのです。

早く私の了解を取りたくて仕方ないのがわかります。

次の男性を見つけてきたのでしょう。

出来上がった料理を食卓に並べてご飯ができたので

主人の部屋に声をかけに行きました。

すぐに行くよと返事があったので、主人が大好きなビールを用意して

主人が食卓に着くのを待っていました。

主人はすぐに自室から出てきて、

ビールをプシュッと開けて、いつものようにごくごくの一本目を飲み干しました。

「うまいな~このために生きてるんだよね」

主人は本当においしそうにビールを飲みます。

「今日の麻婆豆腐はどう?ちょっと辛くしてみたんだけど。」

「どれどれ。。」

主人がレンゲで一口頬張ったのですが、

「あっちー、やけどしちゃったよ。」

「だから。。ふーふーしてからじゃないと。。いつもやけどしてるじゃない。」

「でも、美味いわ!辛さもたまんないね。ビールによく合うよ。もう一本ちょうだい。」

私は冷蔵庫に二本目のビールを取りに行きました。

「ところでさっきの話なんだけど」

早速本題なのね

「ネットでね、単独さんを探すサイト見つけたんだけどね。

お前の特徴とか性格とか書いて募集してみたんだよ。そしたらね、

すごい応募が殺到してね、びっくりしたよ。」

ひとしきりしゃべってビールを飲んでから

「でもね、その中からよさそうな人がいてね、この人どう思う?」

主人が携帯を差し出して見せた画面には、大学生と思しき端正な顔立ちの

男の子の顔が映し出されていました。とてもかわいい男の子だと思いました。

「こいつ32歳なんだって。若いときの写真だと思うけど、

そんなに変わらないと思うんだよね。やりとりしてて性格も悪くなさそうだし

優しそうなんだけど。。どうかな?」

正直、気乗りしません。









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