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ターゲットはシニア
第2章 その1
その1
「これはね、ホント架空の話し。真知子さんに変なこと思ってるわけじゃないし、馬鹿にするわけでもないの。あたしの知り合いの話しだと思って聞いてね」
いくらハローワークに行っても望む仕事のないことを知った私は、洋子さんに相談の電話をした。その夜、早速訪ねてきてくれたのだ。
「生きていくためには何でもしなきゃなんない。その人はたまたま結婚してなくて、子どももいなかった。だから身体を商品にすることにあまり抵抗がなかったの」
私はうなずいた。「その人、幾つだったの?若いのはいいですよね。肌はつるつるだし贅肉もないし」
「この間も言ったけど、腐りかけが好きな男は多いのよ。人生百年の時代よ。八十過ぎて現役の人はたくさんいる。そんなおじいさんが三十、四十を相手にできると思う?」
「うちの父は八十前で亡くなったけど、よぼよぼだったわ。そのくらいの年齢の人って、それぞれなのかしら」
「それぞれよ。ところで真知子さん、あなたはこれまで一度も結婚してないって聞いてるけど、その〜、男性経験はあるの?」
「もちろんありますよ。洋子さんだから言うけど、私、若い時は結構モテたんですよ」
「わかる。その口元のほくろだよね。なんか色っぽいのよね。でも経験ありなら良かったわ。あたしの提案がどんなのか、なんとなく想像つくでしょ。女を武器にするって話しをしてるんだけど」
もちろん私はそう思っていた。そしてもし、もし悪い男たちに利用されないのなら、悪くないと考えていた。
「あたしは会社を辞めてからの真知子さんしか知らないの。よければそれまでのこと、少し話してくれない?」
「ええ。別に構わないけど」と私は答えた。
「これはね、ホント架空の話し。真知子さんに変なこと思ってるわけじゃないし、馬鹿にするわけでもないの。あたしの知り合いの話しだと思って聞いてね」
いくらハローワークに行っても望む仕事のないことを知った私は、洋子さんに相談の電話をした。その夜、早速訪ねてきてくれたのだ。
「生きていくためには何でもしなきゃなんない。その人はたまたま結婚してなくて、子どももいなかった。だから身体を商品にすることにあまり抵抗がなかったの」
私はうなずいた。「その人、幾つだったの?若いのはいいですよね。肌はつるつるだし贅肉もないし」
「この間も言ったけど、腐りかけが好きな男は多いのよ。人生百年の時代よ。八十過ぎて現役の人はたくさんいる。そんなおじいさんが三十、四十を相手にできると思う?」
「うちの父は八十前で亡くなったけど、よぼよぼだったわ。そのくらいの年齢の人って、それぞれなのかしら」
「それぞれよ。ところで真知子さん、あなたはこれまで一度も結婚してないって聞いてるけど、その〜、男性経験はあるの?」
「もちろんありますよ。洋子さんだから言うけど、私、若い時は結構モテたんですよ」
「わかる。その口元のほくろだよね。なんか色っぽいのよね。でも経験ありなら良かったわ。あたしの提案がどんなのか、なんとなく想像つくでしょ。女を武器にするって話しをしてるんだけど」
もちろん私はそう思っていた。そしてもし、もし悪い男たちに利用されないのなら、悪くないと考えていた。
「あたしは会社を辞めてからの真知子さんしか知らないの。よければそれまでのこと、少し話してくれない?」
「ええ。別に構わないけど」と私は答えた。