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天然少女の夏休み
第1章 天然少女
 さっきはノドが乾いていたからだと思ったが、どうやら元から声が小さく口数が少ない娘らしい。
 自分以外に真夏の真っ昼間の墓所に遊びに来る阿呆がいたことには驚きだが、それ以上に、ひとりできたというナユカの言葉が再び僕のなかの悪魔を呼び起こした。

 本当に無防備な娘だと思う。
 少しサイズが大きいのだろうが、キャミソールワンピースの胸元はブカブカで、ナユカが缶を口に運ぶたび服が寄って日に焼けていない白い肌が見え隠れした。

 彼女の年代で発育がいいのかは推測しかねるが、ブラジャーを着けていても違和感がないくらい小さな胸はしっかりと膨らんでいる。

 だが、肝心の先端部分がどうしても見えない。絶妙なチラリズム。

 もちろん触れる勇気などない。
 が、視線は無意識に周囲に人影がないことを確認していた。

 当然のように、墓所ほ厳かな沈黙に包まれている。

 これだけ僕に密着してきているのだから、たとえば少しくらい身体に触れたくらいで彼女は気に留めないのではないだろうか。
 どうせこの子とこうしていられるのは今日だけなのだ。相手は子供……いってしまえ。

 と、ついに僕は悪魔の囁きに耳を傾けてしまった。
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