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天然少女の夏休み
第1章 天然少女
 このままなんとか射精できないだろうかと作案しているうちに、ナユカがオレンジジュースの最後のひと口を飲み干し、僕の腕を振りほどいて膝から降りてしまう。

 夏の炎天下だというのに、ナユカが触れていた部分に冷ややかな風が吹き込んできた。

 もしかしたら僕の醜い欲望に勘付かれてしまったのだろうか。だとしたら、なんて浅はかなことをしてしまったのだろう……。

 名残惜しさと後悔で押しつぶされそうな僕の前にナユカが歩み寄り、空き缶を差し出してくる。

 お姫様は自分でゴミの始末をしたくないらしかった。

 そして神社の社を指刺し、
「あっちにアリジゴクいっぱいいるよ」
 と言い残すと、まるで猫のようにスルスルと縁側の下に潜り込んで行ってしまった。

 ふいの喜びが胸にこみ上げてくる。

 どうやら僕の欲情には無関心らしい。

 ナユカの跡を追うように身をかがめ、大人には少し狭い社の下へと潜り込んだ。
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