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天然少女の夏休み
第1章 天然少女
 けたたましい蝉時雨が降り注ぐなが、せっかくきたのだからとご先祖様の墓前に跪き手を合わせておく。

 顔も覚えていない祖父母と名前もしらないご先祖様ではあるが、目を瞑り祈っていると、なんとなく哀愁めいた感慨深い感情が胸に広がった。

 なんというか――こんな暑いなか参拝にきてやったんだから、なにかいいことがあってもいいじゃない。という、どちらかといえは邪念に類する感慨である。

 ひとしきり拝み終えると、今度は寺の境内に建てられている神社へ向かう。神社といっても鳥居とボロっちい社だけのちゃっちいモノだ。それでもご先祖様よりかはご利益があるような気がするし、ただ純粋に懐かしいという気持ちもある。子供の頃はまだ友だちがたくさんいて、よくこの勝手に秘密基地にした社のなかでお菓子を食べたものだ。

 それがいまでは彼女どころか遊び相手すらいなくてヒマを持て余した挙句退屈しのぎにひとりで墓参りにきてしまうのだから、友だちは大切にするべきだったとしみじみ思う。

 ノスタルジックな気分に浸っているとなんだか急に泣けてきて、惨めさと切なさで一気に正気まで引き戻された。
 せっかくの長期休暇なんだから、こんなところで油を売っている余裕があるなら男を磨く努力をするべきだ。努力の果てに妥協すればブサイクな自分にだって彼女くらいできるはずである。

 まずはコミュニケーション能力を向上させようと実現するかは怪しい計画を脳内で立てていると、視界の隅っこで何かがモゾモゾと蠢いた。

 ビックリして慌てて視線を送ると、見知らぬ女の子が社の縁側下から這い出してきたところだった。




 
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