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天然少女の夏休み
第1章 天然少女

女の子が立ち上がり、なんとも読み取ることのできない表情を僕に向けてくる。
妙なところから這い出てくるから犬が猫か、もしくは魑魅魍魎の類いかと心臓をビクつかせていたが、どうやら紛うことなき人間の子供である。
幼いながらも綺麗な顔立ちの娘だった。
セミロングの髪に――よく外で遊ぶのだろう、肌には健康的な日焼けあとがある。活発的に遊んでいる跡があるにも関わらず、その雰囲気はどことなく優雅であり、どこぞの貴族のような気高さえ身に纏っているようだった。なんにせよ、自分とはかけ離れた存在であることに違いはない。
まるで夏の木漏れ日のなかの緑葉を映したかのような緑と白のキャミソールワンピースが、とてもよく似合っていた。
神社の賽銭箱の前で祈る格好のまま、僕は完全に少女の姿に心を奪われていた。
ようやく我に返り気まずくなって、無理やり少女から目を背ける。
果たして一緒にきているのかは不明であるが、こんなところを少女の保護者に見られでもしたらいらぬ誤解を与えかねない。
お祈りをしてるフリをして少女をやり過ごそうと目を閉じる。
あんな幼い娘ひとりあしらえないのかと自分で自分が情けなくなるが異性との会話なんて母親以外とほとんど経験がないのだから仕方がない。
空気が止まるような居心地の悪さを払拭するように妄想世界へのダイブを試みたが、あきらかに僕のほうへ向かってくる小さな足音に首根っこをつまみ上げられた。
妙なところから這い出てくるから犬が猫か、もしくは魑魅魍魎の類いかと心臓をビクつかせていたが、どうやら紛うことなき人間の子供である。
幼いながらも綺麗な顔立ちの娘だった。
セミロングの髪に――よく外で遊ぶのだろう、肌には健康的な日焼けあとがある。活発的に遊んでいる跡があるにも関わらず、その雰囲気はどことなく優雅であり、どこぞの貴族のような気高さえ身に纏っているようだった。なんにせよ、自分とはかけ離れた存在であることに違いはない。
まるで夏の木漏れ日のなかの緑葉を映したかのような緑と白のキャミソールワンピースが、とてもよく似合っていた。
神社の賽銭箱の前で祈る格好のまま、僕は完全に少女の姿に心を奪われていた。
ようやく我に返り気まずくなって、無理やり少女から目を背ける。
果たして一緒にきているのかは不明であるが、こんなところを少女の保護者に見られでもしたらいらぬ誤解を与えかねない。
お祈りをしてるフリをして少女をやり過ごそうと目を閉じる。
あんな幼い娘ひとりあしらえないのかと自分で自分が情けなくなるが異性との会話なんて母親以外とほとんど経験がないのだから仕方がない。
空気が止まるような居心地の悪さを払拭するように妄想世界へのダイブを試みたが、あきらかに僕のほうへ向かってくる小さな足音に首根っこをつまみ上げられた。

