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天然少女の夏休み
第1章 天然少女
 とはいっても、状況はなにも変わらない。

 相変わらず僕と僕自身は硬直しだままで、少女はそんな僕の上に乗っかったままである。

 少女からは男に対する警戒心というものが全く感じられなかった。少女といっても、誰かの膝にひと目をはばからず坐っていいほど幼くは見えない。正確な年齢はわからないが、少なくとも男女を意識する程度の歳には見える。

 それがここまで無防備に接してくることに僕は戸惑いを隠せなかった。

 なにせ、僕と会ってから少女は一度も笑顔を見せてくれていない。はじめは警戒されているのだと思っていたが、少女の振る舞いは徹底的にその可能性を否定している。
 だとすれば日頃からこういう感じの娘なのだろうか……。
 仮に僕に懐いてくれたのだとしたら、それはとても言葉では言い表せないほど嬉しいことで、だとしたら少女の信頼を裏切るわけにはいかないと、僕は必死で己の醜い欲望に重く鎖を巻きつけた。

 そんな僕を嘲笑うかのように、少女が再びモジモジと膝の上で僕のモノを刺激してくる。

 少女の着衣はこれでもかってくらい薄く、ジーンズ越しだというのにまるで直に触れているかのような柔らかさが童貞の僕には心地よすぎた。

 夏の陽気の熱とは明らかに違う温もりまでもが布越しに伝わってきて、上半身だけならまだしも、股間のあたりに伝わってくる熱はそれだけで射精感を催すほど危険な代物だ。

 どうしても堪えきれずに漏れてしまう吐息をのど乾いたと勘違いしたのか、少女が飲みかけのオレンジジュースを僕に差し出してきた。

 迷うことなくそれを受け取り、つい先ほどまで少女の唇が触れていた飲み口に視線が釘付けになる。
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