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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第2章 オフィスメイド 神崎 愛実(めぐみ)

 愛実は台所に入ると、配膳台の上に置かれた仕出し箱やお櫃、味噌汁のジャーなどと、冷蔵庫から取り出したビールを座敷に運び、座卓に食事の仕度をした。伊集院は、 「旅館の会席料理は食傷気味でね。ここでは、いつも家庭的な料理にしてもらっているんだよ。」 と言って、腰を下ろした。座卓には、アジフライ、冷えたなすびの煮浸し、瓜の漬物などが並んだ。愛実は、ご飯と味噌汁をよそってから、伊集院とビールグラスを合わせた。

 食事をしながら、愛実が、 「家庭料理と言っても、こんな大きくて分厚くてふわふわのアジフライなんか、いただいたことがないです。」 などと、屈託なく笑うのを見ながら、伊集院も楽しげに、何度もグラスを飲み干した。

 食事が終わり、愛実が下膳している間に、伊集院は手洗いに立ち、歯磨きをしていた。愛実も、その横に並んで歯磨きをして、薄紅色のリップを塗り直した。愛実が、 「もう少しお酒をお召し上がりになりますか。」 と問うと、伊集院は 「そうだね。ウイスキーをオンザロックでいただくかな。」 と答えて、広縁のソファーに戻った。愛実は、最初に台所に入った時に、棚にウイスキーのボトルがあるの見ていたので、戸惑うことなく、そのボトルと氷を入れたグラスを丸盆に載せて、サイドテーブルに置いた。
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