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You were born to be mine
第8章 Epilogue
教会に着いてチャペルに向かう。
扉の前に来ると子どもらの可愛いらしい歌声が漏れ聞こえる。
オレらはそ~っと扉を開けて中に入った。
小さなチャペルは満席やった。
壁際の空いたスペースに陣取って歌声に耳を傾ける。

可愛い♪

年少さん?らしき組が終わると次は年長さん?らしき組が出てきた。
『きよしこの夜』を歌い始める。
咲希とオレは同時にある1人の女の子に目を奪われた。
みんなが真っ直ぐ前を向いて唄うなか、その子だけ違う1点を見詰めてせわしなく手を動かしてた。


「陵ちん、あの子……」


「うん、手話やな…」


その子の視線の先には両親と思われる2人。
お父さんにも、お母さんにも耳元に補聴器が見えた。
2人とも涙をこぼしてた。

オレも咲希もそこしか見えんかった。
歌が終わるとお母さんは子どもに駆け寄った。子どもも両親に向かってダッシュ。

子どもは膝まづいた両親の前で誇らしげな笑顔を浮かべて手話を繰り出す。
お母さんは頷いて子どもを抱きしめた。
お父さんがその2人を抱きしめる。

まるで無音映画を見てるようやった。
アメリカとかなら、周りの皆が総立ちで拍手して指笛を鳴らしてるとこやろう。
それもエエけど、日本人のこの繊細さよ。
みんな気付いてる。
その証拠に泣いてる人ぎょうさんおる。
けど、3人の世界を邪魔したくないって皆が思うてるはず。

凄いモノを見てしもた……
気付くと咲希もボロボロ泣いてた。


「大丈夫か?」

(T-T)
「……うん……一生忘れられへんモン見た。」


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