この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
羊にご用心!?
第4章 ~お嬢様、朝食の時間です~
「起こしますよお嬢様」
アルはリリムの身体を抱きかかえベッドの上に半身を起こした。
「ねぇアル。どうしてそんなに普通なの?」
リリムはアルの首に手を回したまま尋ねた。
何事もなかったかのように接するアルに不思議に思ったか、はたまたムッとしてのことかはわからないが。
「しっかりしろと仰られたのはお嬢様でしょ? ワタシだって欲はありますから」
「欲?」
「勿論、お嬢様の傍にいることですよ」
リリムはほんのりと頬を赤らげ手を離した。
少年のようなアル、やはりどこかオトナっぽく見える。
犬コロのような可愛げはイマイチなくなってしまった。
「あまり……しっかりしなくても……」
「何かおっしゃいましたか?」
アルはポットの紅茶をカップに注ぎ、リリムの元にきながら尋ねる。
「何でもないわ…………」