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羊にご用心!?
第4章 ~お嬢様、朝食の時間です~
アルよりカップを受け取り紅茶をすする。
「……美味しい」
口に広がる葉の香り、暖かくほんのり甘い。
「お嬢様、スコーンも如何ですか?」
紅茶で喉を潤わせ、そのアルがワゴンで運んできてくれた朝食に目をやると、ぐぅっーとお腹が反応する。
「頂くわ」
アルは「畏まりました」と、返事をするとスコーンをお皿にとりわけ、リリムの座るベッドの端に腰をかけた。
スコーンを一口サイズにちぎりたっぷりと赤いジャムをつけ「はい、どうぞ」と、スコーンを掴んだ手を差し出す。
リリムは呆然とその手を見た後、アルに視線を移す。
「召し上がらないのですか?」