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羊にご用心!?
第2章 ~お嬢様、躾のお時間です~


「お待たせしてすみません」

 アルは香油を手で伸ばし、リリムの長い髪に丁寧に馴染ませてゆく。

 首筋にアルの指が微かに触れ、リリムはピクッと肩を揺らす。

「痛かったですか?」

「ち、違うわ……だいじょうぶよ」

 首筋や項にアルの指が触れると何だかくすぐったい。メアリーにしてもらうときは何ともないのに。

 リリムはそのもどかしさを堪えていた。



 香油を馴染ませた髪をアルは器用に頭上に纏め
る、それはとても慣れていて仕上がりはメアリー以上だった。

「へぇー、やるじゃないアル、見直したわ」

 誰にでも取り柄はある、アルはドジな癖に手先が器用らしい。リリムは、素直に感心した。

 アルに触れられるとくすぐったいけど、それを我慢する価値はありそうだと思った。



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