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羊にご用心!?
第2章 ~お嬢様、躾のお時間です~
もしかしたら、アルは今まで女性に仕えていたのだろうか。
────それなら着替えも気にしないのも納得だけど。
執事は、たいてい主人や男性に仕える。
アルの容姿ならお嬢様に気に入られて、仕えることもあったのかも知れない。
現に今もこうしてリリムの世話役になったわけで。リリムは、ひとり納得していた。
「……あっ」
「お嬢様、すみません。首筋に香油がついてしまいました」
髪を結い、顕になった耳に、耳飾りを着けようとアルが触れた時だった。
「ん、アル……くすぐったいわ」
「すみません。お嬢様……よけいついてしまって、ああ、どうしたら良いのでしょ」
アルの香油の着いた指の腹が耳元を、滑るように這い、それがくすぐったくリリムは肩をくすめる。