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羊にご用心!?
第2章 ~お嬢様、躾のお時間です~
リリムはやっと開放され、息を整え胸を上下させた。
だが、鏡にうつる自身の顔を見てひどく動揺してしまう。
琥珀色の瞳は潤み、顔は真っ赤に染まっていた。
途端、何でこんな目にあわなければならないのかと怒りが沸々と湧き上がってくる。
リリムは一喝しようと口を開きかけたとき。
「すみません、お嬢様」
アルは、リリムの目尻に唇を落とす。
「ん……っ」
「随分、鳴かせてしまいました」
「べ、別に。泣いてなんか」
「怒ってますか……お嬢様」
鏡越しに見るアルはションボリと気落ちしていた。コロコロとした大き目の瞳を沈ませ、鏡越しにリリムの瞳を見てくる。
「そんな顔されたら怒れないじゃない」