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羊にご用心!?
第3章 ~お嬢様、湯浴みの時間です~


 アルはリリムの白い肌に湯用着を羽織らせた。
 胸を隠したリリムの腕を外し、湯用着の袖に通し前をしめ身体を覆った。

「これで宜しいですか? 脱がせても」

「自分で脱ぐは」

「とんでもありません、お嬢様にそのような事させられませんから」

「ええ、むしろ、あなたにそんな事させられないわ」

 身体を湯用着に包んだことによりリリムはようやく正気を取り戻し強めに反論する。

「分かりましたお嬢様、それではご自分でお脱ぎ下さい」

 強めに出たのが良かったのか、今回は簡単に諦めてくれたようだ。

 リリムは湯用着を捲りドロワーズに手を掛ける、それを降ろそうとした時、フッと顔を上げる。

「何見てるのよっ……んっ!」

「お嬢様、大声出さないでと申したでしょ? ワタシが叱られてしまいます。お嬢様に無理をさせていると」

 アルは手のひらでリリムの口を塞ぎ、困惑した表情で眉尻を下げ懇願する。

 大声を出さずとも充分無理をさせてると思うのだが。

「もし、今度。大声をだしたらキスしますよ?」

「なっ…………に、言ってるのよ」

 しかし、これ迄のアルのことを考えると本気でしかねない、リリムは声を小さくして吐きだすように反論した。

 アルは、ニコッと微笑む。

 その笑顔が「よく出来ました」と、言われてるようで少し悔しくなる。

 ────気がつけばアルのペースにのまれてる。
 しゅ、主導権を取り戻さなきゃっ!



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