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ある冬の日の病室
第7章 妖艶の宴
「一番最初に母に優勝の報告をしました。きっと母は僕の優勝を天国で喜んでいると思います。『いつも見守ってくれてありがとう、お母さん』表彰式の時、そう母に伝えました」

 内田里奈(享年四十一)
 
 表紙の内田翔は優勝カップと写真立てを持ってカメラに向かっていた。笑顔の里奈が写真立ての中にいた。
 里奈は死んでいたのだ。
(空白)



 音が消えた。僕の目に何が映っているのか認識できない。手足の感覚、いや、体の感覚が、感情が深淵に引きずり込まれた。真っ暗で何もなくて。

 二十二時二十三分、新幹線は東京に向かって出発した。
 僕は心をどこに置いておけばいいのだろうか? 里奈を思う気持ちに今も変わりはない。僕は亡くなった人を愛した。悔いなどないし、誰にも理解されなくて結構だ。
 ただ一つ言えることは、僕は生涯里奈のことを忘れない。里奈を愛し続ける。
 
 雪がまた落ちてきたようだ。車窓に真綿が斜めに流れた。

                                

                    了

 
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