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ひとつやねのした
第1章 ひとつやねのした


「オ、オイ!龍(リュウ)!見ろよ!すげぇ良い眺め!」


昼休みが終わりに差し掛かっている時、いつもたむろっている階段の下で友人の祐也(ユウヤ)が階段の上にいるブルマの女子達を指した。


「祐也さいてー!龍はそんなの見て喜ばないし!」

「本当!もーいい加減体操着変わらないかなぁ。こういう奴いるしね」

「龍だって男だから興味あるに決まってんだろ!」

「なくはないけど…今他の女子もいるところでそういうのはちょっとな」


たむろっているのは同じクラスの数人で、うちのクラスは男女関係なく仲が良い為その時暇な奴らがここに集まっていた。


「でもよー…アァ!!美咲(ミサキ)ちゃん!!」


さすがにその名前に俺は反応した。


美咲ちゃんとは隣のクラスの前園美咲(マエゾノミサキ)。


学年…いや、学校内で一番と言って良いかもしれないくらい可愛い。


もはや彼女に近付けるのは校内のイケメンと呼ばれる猛者達だけで俺達みたいな奴らが行っても相手にされるはずなかった。


「美咲ちゃんのブルマ姿拝めるなんて…」


祐也は手を合わせていた。


「今夜のオカズにさせていただきます」

「もうー!本当祐也キモイ!」

「龍!こんな奴ほっといて教室戻ろ!」


ごめん…たぶん俺もオカズにします。


クラスの女子に引っ張られていると階段の上にいた前園と目が合った…?


気のせいかな…コンサート中にアイドルと目が合うみたいなもんか。



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