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ひとつやねのした
第1章 ひとつやねのした






いつもの様に放課後クラスメート達とカラオケに行ったり、ゲーセンに行ったりしていると親父からメールがきた。


早く帰ってこいとのこと。


親父が早く帰ってこいなんて言うなんてめずらしいな。


うちは父子家庭で、小さい頃から母親はいなかったけど親父も頑張ってくれたおかげで寂しい思いとかしないで暮らしていた。

うるさいことを言う父親ではないのでたまにこういう事があると父親の言うことはちゃんと聞いていた。


「なんか親父から早く帰ってこいってメールきたから俺帰るわ」

「えー!龍いねぇとつまんねー!」

「別に毎日遊んでんだから駄々こねんな」


祐也を引き離して俺は帰宅した。



家に帰ると玄関にはたくさんの荷物と女物の靴が2つ並んでいた。


???


家に入るとリビングになんと前園と綺麗な女の人が座っていた。


なんか夢でも見てんのか?


「お、帰ってきたな。座りなさい」

「あ…う、うん」

「今日から家族になる美代子(ミヨコ)さんと、美咲ちゃんだ。美咲ちゃんは龍と同じ学校みたいだな」

「え?いや…意味がわからないんだけど…」

「龍君、これからよろしくね…ほら美咲も」

「………よろしく」

「突然で悪いんだが、父さんは美代子さんと再婚する事にしたんだ!美咲ちゃんの方が誕生日あとだから美咲ちゃんは妹になるな!可愛い妹も出来て良かったな龍!」


親父……浮かれてる。


まじかよ!嬉し……いような気はするけど…すげー複雑。


前園なんてすごい嫌そうな顔してるし…。


そうだよな…あんなイケメン達しか近付けないような前園が俺みたいなフツメンと暮らさないといけないなんて…。


俺がどうこうしてもどうにもならないけど。







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