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犬山君
第1章 犬山君


今日から新しい街で新しい家に住むことになった。
前に住んでたところから離れてるので転校しなくちゃいけなってしまって、人見知り激しい私にとって新しい学校に通うのはちょっと不安だった。


「花(ハナ)、そこのスーパーに買い出しに行ってくれる?」

「あ、はぁい」


買うもののメモの書いた紙を渡されて家の近くのスーパーまで買い出しにいった。
その帰りの事だ。


「…お嬢ちゃん」




お嬢ちゃんって…よく童顔って言われるし、身長も低いけどもう高校生なんだけどなぁ…。


「…はい?」

「可愛いねぇ…おじさんさっき君がスーパーにいたときから見てたんだけどね…」


30~40代くらいのおじさんでなんかニヤニヤしていてちょっとおかしい。
嫌な予感がして後退りすると、迫ってくる。


「…ハァハァ…どんなパンツ履いてるか見せてくれる?」


…やっぱり変質者だ…コワい…。


私は首を振って逃げようとするけど足が竦んでしまって動けない。
その人は自分のズボンとパンツを下ろして大きく反り返ったアレを出した。



「ハァハァ…君見てただけでこんなに大きくなっちゃった…おじさんのこれニギニギしてくれる?」

「…ひぁ…ふ…嫌…」


腕を掴まれた時だ。


「…………おっさん。俺がそのきたねぇ棒握りつぶしてやろうか?」


いつの間にいたのか身長の高い、私と歳はあんまり変わらそうな感じの男の人が変質者の横に立っていた。


「イ、イエ!大丈夫です!」


変質者はあっという間に逃げてしまった。


「……平気か?」

「…は、はい……」

「……家、近いのか?」


頷くと、頭をポンと撫でられる。


「変なのいたら追っ払ってやるから気をつけて帰れよ」


さっきまでの怖い顔付きと変わって優しい笑顔でそう言った。
その瞬間胸がきゅんとなるのはこういうことなんだって実感した…。


って…今の対応…小学生くらいだと思わてるよね…。
突然過ぎてお礼も言い損ねちゃった…。
この近所の人かな?


また会えたらお礼言わなくちゃ…。


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