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無垢な彼女
第4章 悪魔な彼女
「……イテテ…何があったんだ?」
「ふえぇッ…武山君助けてぇ…」
「どうした!?暗くて全然見えない」
ザワザワして人混みの音が上から聞こえる…。
これは…俺達落ちた?
幸い落ちるときに枝で少し切ったくらいで何ともない。
「小山!?怪我してない!?」
「…うん…引っかかってるのー…取ってぇ…」
少し目が慣れて、上の会場の灯りで斜面の少し上の辺りに小山がいるのが見えた。
帯が引っかかって宙吊りになっているようだ。
斜面に突き出ている石に足をかけると小山に届く。
「ちょっとごめん」
「…うん」
小山の腰に腕を回して手探りで帯から枝を取ろうとすると、帯を枝が貫いているのがわかった。
「うわ…小山に刺さってなくて良かったー…これどうやって外そう」
「ふえ?どうなってるのー?」
「枝が帯に刺さってる…帯外せば取れるかも…あ!暗くて見えないから安心して!」
「…んー…じゃあ、外すー」
「俺が外すから俺に掴まってて?」
「うん…ごめんね…」
小山は俺に抱きついて掴まった。
小さいだけあって軽い…なんか柔らかいし、良い匂いするなぁ…いかん!変な事考えるな!淳の彼女だぞ!
帯を外す事に集中した。