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無垢な彼女
第1章 無垢な彼女


二人乗りのゴムボートみたいな乗り物に乗る水のアトラクションだ。
ゴムボートみたいな乗り物が結構狭くて、かなり密着しそう…カップルばっか。


「淳はやっぱり小山と乗りたいよな!?ってことで、長谷川さん俺となんだけど…」

「いいよ?……私、もともとそのつもりだったから」

「え!?そうなんだ!いやー!よかった!」


よく言うよ…。完全に長谷川に落ちたな。わかりやす過ぎる。多分長谷川も気づいてるだろうな…長谷川も武山の事悪く思ってる様子ではなさそうだけど。


係員に誘導されて二人が先に乗って行った。


「次の方どうぞ」

「あ、すいません。なんか急に恐くなったので乗るの止めます」

「あれぇ?淳君恐いの?」

「そーそー。止めるぞ」


俺達は乗らずにそこを離れた。


「淳君どこ行くの?終わるところ行くんでしょー?」

「違う。二人とははぐれたから流れるプールでも行くか」

「えー?はぐれてないよ!終わるところ行けば降りてくるもん…」

「武山が長谷川と二人で遊びたいんだって」

「武山君、雪(ユキ)ちゃんのこと好きなのー?」

「そうみたいですよ」

「ふふふーっ…じゃあ、しょーがないなー」


さっきまであんな泣いてたのにケロッとしてる。

良かった…長谷川がフォローしてくれたおかげでもあるけど。
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