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無垢な彼女
第7章 無邪気な彼女
カチャ…
静かに扉が開くと、琴美が部屋の中に入ってきた。
琴美は真っ直ぐベッドにいる俺の所にやってくる。
すると、琴美はベッドの上に乗ってきたかと思うと俺の頭をギュッと抱きしめた。
「淳君いい子いい子」
そして琴美は俺の頭をポンポンと撫でた。
琴美に抱き締められた瞬間真っ暗だった心の中に光が差し込んだ気がした…。
「……淳君…助けに来てくれてありがとうね」
「……俺…抑えきれなかった…何で…こんなんじゃ前みたいに琴美に触れねぇよ…」
「淳君!もう!ずっと一人でそんな事考えてたの?大丈夫だよー…今まで琴美の為に色んな事一生懸命考えてくれて、今回もピンチの時助けに来てくれたのに…自分の事そんなに責めないで?」
「…」
「…あの時震えちゃったのは淳君の事が怖かったからじゃないよ?いつも優しい淳君があんなに人の事殴ったりするなんてビックリしたけど…あの時ちょうど保健室の窓からあの人が連れて行かれるのが見えて襲われた時の事思い出しちゃっただけなのー」
琴美は一度離れると、俺の手を握って琴美からキスをした。
「いつもと反対だー」
琴美はいつもの無邪気な笑顔でそう言った。
琴美の事を抱き締めたくて、一度腕を伸ばそうとしてみるけどすぐに引っ込める。
「淳君!抱き締めて?ギューッて」
俺はすぐに琴美を抱き締めた。
一度止まった涙がまた溢れ出てくる。
しばらく琴美を抱き締め続けていた。