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無垢な彼女
第8章 甘美な彼氏


それから数日後の事。
お休みの日に鴨宮君とデートに出掛けた。

水族館に行ってみたものの、休日だけあってものすごく混んでいた。

「あ、鴨宮君!ここだとよく見えるよ…あ」

団体の人達が押し寄せて来て人の波に流されそうになると、鴨宮君は私の体を引き寄せてくれた。

「……あんまり離れるなよ」

「ごめんねぇ…はうぅ」

しっかり手を繋がれて…私、小さい子みたい…水族館好きだからはしゃいじゃったのがいけなかったよね。

しばらく進むと、だいぶ人が少ないフロアに到着した。

「ここはゆっくり見れそうだねぇ」

大きい水槽の中を優雅に泳ぐ魚をゆっくり眺める。

鴨宮君とこうして一緒に眺めてるだけで楽しいなぁ…って…楽しいの私だけかもしれない!
鴨宮君が何も言わないからって何も考えずに15分くらい水槽眺めていた。

「ごめんね!ボーッとしちゃって…先進も!」

「……何で?」

「15分も見ちゃってたし!」

「…まだこのままでもいいよ」

「つまんないでしょ?」

「……優菜といてつまんないと思った事ない」

あー…もう…鴨宮君大好きだぁ…。

鴨宮君と繋いでる手をキュッと握った。


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