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無垢な彼女
第8章 甘美な彼氏
鴨宮君と別れてから心にポッカリ穴が開いてしまった。
食欲も出ないし、夜目を閉じると鴨宮君と付き合ってた時の事を思い出して毎晩のように涙を流していた。
…立ち直れる時来るのかな?
月日はあっという間に過ぎてしまい、心の傷が癒えないまま…いつの間にか卒業式前日になっていた。
「あーあ!明日卒業なんだー…もう制服明日までだー!」
「そうだね…」
「…優菜ちゃんまた痩せたー?ちゃんと食べてる?」
「うん…前よりは食べるようになってきてるかなぁ」
5キロ太ってしまった時が懐かしい。
寡黙で無口だった鴨宮君はいつも爽やかな笑顔をしていて、すっかりクラスの人気者なっていた。
せめて違うクラスだったら良かったのにな…
「女子トーク俺も混ぜて♪」
そう言ってやってきたのは武山君だった。
「武山君だー!いいよー」
「谷原さんまだ落ち込んでんの?」
「はうぅ…未練がましいのはわかってるよぉ」
「鴨宮君の事大好きだったんだもん!仕方ないよー!」
「……大学で鴨宮君が新しく彼女出来ちゃうところ見たくないなぁ」
私はため息をついた。
「大学でどうやって海の向こうにいる鴨宮の事見掛けるんだよー?ブログとか?」
「え?海の向こうって?」
「は?鴨宮、高校卒業したらフランスに…って!俺、余計な事言ったかも…」
武山君はパッと口に手を当てた。
「ちょっと待って!その話………」
驚いて立ち上がると、急にクラクラしだして…