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無垢な彼女
第1章 無垢な彼女
授業中隣りに小山がいると、みんなチラチラと後ろを見てくる。
「…なんだよ?」
「ぷっ…だって、大野…小山のお父さんかよ…クククッ」
「馬鹿!くだらないこと言ってねぇで授業真面目に受けろよ」
小山は気にしてるみたいだし…こんな事言われると今度は泣くかもしれない。
席替えの時泣く寸前だったからなぁ。
チラッと小山の方を見ると今のは全く聞いてなかったようで数学の問題を指を折って一生懸命解いていた。
なんでも一生懸命やろうとするんだな…でもな……今、英語の授業なんですよ…数学さっき終わった…。そういえば休み時間もなんかずっと考えてたな…
言った方がいいのか?
すると、小山は俺の制服をグイッと引っ張った。
「ねー!大野君これどうやるかわかるー?」
「は!?」
「ずっと考えてるんだけどわからないんだー」
「小山さん?どうかしましたか?わからないことがあれば説明しますよ」
「あ…あれ!?何で英語なの!?」
「何言っているんですか?もう授業始まってだいぶ経ちますよ!」
「ううぅ…大野君ッ!なんで教えてくれないのー!?」
「俺だって今さっき気付いたんだって!そもそも、まだ前の授業の問題やってるとは思わないだろ」
「ムー!わかんなかったんだもん!」
「二人とも!静かにしなさい!」
授業中うるさくして怒られたなんて小学生以来だ…。