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無垢な彼女
第1章 無垢な彼女


「じゃあ、いこうか」


待ち合わせ場所から店に移動しようとした時だ。


「あ!大野君!いたー!」

「ん?」

「あれ?小山じゃね?」


小山は真っ直ぐ俺の所へ息を切らして走ってきた。


なんでこんなところに小山が!?


「え?どうした?」

「はぁはぁ…これ!机の上に忘れてたよ!」


小山が持ってきてくれたのはなんと家の鍵だった。


「うわ!ありがとう!家入れないところだったよ!」

「誰ぇ?妹さん?」

「あ…違っ…あのぉ…」

「クラスメートだよ。席隣りなんだ」

「えっと…琴美もう行くね!邪魔しちゃってごめんなさい!」

「小山ちょっと待って!大野になんか奢ってもらえよ!わざわざ届けに来てくれたんだしさぁ」

「そうだな!女の子一人足りないし、それで人数合うな!」


こいつら…目的そこだろ…。

まぁ…いいか。
小山とゆっくり話したことないし、隣の席になったのも何かの縁だ。


「わかったよ!ほら、小山行くぞ」

「淳(ジュン)くーんまた明日学校でー」


浮かれてやがる…。

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