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第8章 暗闇の中…一筋の安寧　2

…部屋の扉の前に着いた。
昨日と同じように胸に手を当てて、ふぅ～と深呼吸をする。
目を閉じてノックをする手を扉の前にゆっくりと添える。
ここまでは昨日の夜と全く同じ。
違うのは部屋の扉が閉まりきらずに隙間が開いている事だ。


…光は漏れていない。
リヴァイの性格から考えると、隙間を開けたまま
眠りにつくとは考えにくい。
疑問に思いながらもエレンはコンコンッとノックをした。

「兵長…起きてますか…？」


…返事はない。



昨日は中から呻き声が聞こえたので扉を開けて飛び込んだ。
今日は扉の隙間が自分を招いているようで…
それに吸い寄せられていった。

ギィと低い音を立てて扉を開く。
さすがに無言で進入するのも気が引けるので声をかけた。

「しっ…失礼します……」