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―不還―
第8章 暗闇の中…一筋の安寧 2
「言わなくていい。その件もお前のせいではない」

「で、でもっ……」

「エレン」

少し強めに名前を呼ばれ、じっとリヴァイに見据えられると
それ以上は口に出来なかった。
制したリヴァイの手がそれ以上言葉にするなと言っている様に見えた。
エレンはシュンとなった犬のように俯いて再び壁にもたれる。
やはり敵わないな…と、お見通しなんだなと……。

横目にリヴァイを見ると、最初の時のように立てた片膝に
左手を乗せて正面を見ていた。

「で、二つ目は何だ?」

「えっ…」

「二つ目はちょっと思いつかない…言ってみろ」


エレンはゴクリと咽喉をならす。
『二つ目』の事を言うのにはかなりの勇気がいる…。
もし拒絶されてしまったら…?
それが何よりも怖い。

でもこの人にどうしても伝えておきたい。
伝える機会を失って後悔をしたくなはい。
リヴァイの方を向いて正座で座りなおしたエレンは、
意を決してゆっくりと口を開いた。
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