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梨果の父サイドストーリー
第3章 グラビアの中の愛娘
展覧会に出展した梨果の裸婦画が思いのほか注目を浴びて正直驚いた。あまりメディアを目にする機会がなかったので、梨果がそこまで有名人になっていたとは知らなかった。

(有名人とは知らずまた多くの人に梨果の裸像を見せてしまったな。)

去年の夏、梨果を大勢の人前でヌードモデルをさせてしまった事を思い出す。
あの時は子供だと思っていた梨果が既に“女の体”になっていたのを知らなかった。

「今回も同じだ。」

父親である私の“無知”によって再び娘を辱めてしまったと思った。


「お勘定お願いします。」

「毎度ー。」

酔いも回ったので駅前の中華料理店を出る。

日はだいぶ伸びて18:00を超えても外はまだ明るかった。

「あの本でも買って帰ろう。」

梨果を一躍有名にしたという古川賞受賞作品をまだ読んでいなかった。

「まさかあの彼がかの有名な一条院巴だったとは……」

駅にある本屋に入る。

(あった……)

“あぶな絵の少女”は受賞作品だけにすぐに見つけられた。それを一冊手に取りレジへ向かう。


(あれ?)

レジの列に並んでいると成年誌のコーナーに梨果に似た少女が表紙の本があった。

(なんだ?この雑誌は……)

列から離れてその本を手に取り開いて見ると巻頭グラビアも飾るその少女は明らかに梨果だった。

(なんと、こんな雑誌にも梨果が、もしや……)

もしやと危惧したが、さすがにヌードではなかった。しかしあまりに男の欲情を煽るグラビアに驚いた。

(なんてことだ……)

親としては何とも許し難い姿だった。しかし親心とは裏腹に下着の中のペニスがむくむくと勃起を始めてしまった。

(まずい、けっこう酒を飲んでいるのにこんな……とりあえずこれも買って帰ろう。)

家路に向かうのがやけに早足になっていた。
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