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第1章 愛娘の裸身

まずヌードモデルを探す。
勤めている大学のつてでモデル事務所を紹介してもらった。

次にコミュニティーセンターに赴き、設備の借用の申請をした。
公共施設なので、案外安い値段で借りることができた。しかもイーゼルなどの備品も整っているのはありがたかった。

『8/27裸婦クロッキー会開催。場所コミュニティーセンター二階美術室、 会費・会員2,000円・一般 4,000円』

妻にチラシを作成してもらい近所に配ったり、自治会や商店会にお願いして掲示させてもらった。

モデルとの事前打ち合わせの為、都内の事務所へ赴いた。
洋子さんという29歳の女性を紹介していただき日時と場所と内容の説明をした。


応募は所属の受講者の他にたくさんの一般申し込みがあり、人数を制限する為に募集締め切りにしたほどだった。

第一回裸婦クロッキー会当日、商店会の人に受付を任せて田村さん、川瀬さんに協力してもらい会場の設営をした。
妻には洋子さんの対応を任せて更衣室の設定などに従事してもらった。


入場した受講者を見渡すと、“女の裸目当て”ではないかという者もおり、不安がよぎった。

しかし始まってみると洋子さんは美しい肢体と豊満な乳房を惜しげもなく晒していたが、さすがのプロ意識の凛とした佇まいは見る者に邪な隙を与えない毅然とした所作でこなし、何事もなく終了することができた。


成功を収めたこの裸婦クロッキー会を定期的に催することに決定し、毎回少しずつ固定生徒数を伸ばしていった。

特に洋子さんの美しさは評判を呼び、遠くから通って来る受講者も増えてきた。
川瀬さんの言っていた通り、初めは邪な気持ちがあったとしてもその後真面目に美術に打ち込む人も多くいた。