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梨果の父サイドストーリー
第4章 愛娘を待ち伏せ
娘と並んで歩く。道行く男たちが梨果をチラチラと見ているのがわかる。優越感となんとなくの落ち着かなさが共存した。

「梨果、有名人だとバレないかな?なんだかみんな見てるようで落ち着かないよ。」

「大丈夫、伊達メガネだけでも意外にバレないから。」

「本当かなぁ…」

「ホントホント。うふふ。」


「あっ…ここは。」

駅から少し歩き商店街に入ると真田さんの写真館があった。

「どうしたの?お父さん。写真館には用ないけど…」

「確か真田さんが梨果のあのグラビアを撮ったのだよね?」

「そーそー。なんならお茶でも飲んでく?」

「え?写真館でお茶?!」

「たのもー!」

私の返事を待たず写真館の扉を開けてズカズカ中に入る梨果。

「あの…道場破りじゃないんだから。というか入って大丈夫なのかい?」

「どうぞどうぞ。真田さーん、いるー?」

「いないよー!って梨果ちゃん!?」

「あれ?富山さんいたんだ。真田さんは?」

「トイレだよ。…って先生?!一緒なんだ!」

真田写真館になぜか富山さんがいた。

「富山さんここにいたの?今からお父さんと富山ドラッグに買い物にいくつもりだったんだけど。」

「そうだったの?店番は嫁に任せてるから買い物はできるけど。」

「そうなんだ。お仕事サボって真田さんと何の悪巧みしてたの?」

「うっ!…相変わらず鋭いな梨果ちゃんは…」

「はぁ……まったく。とりあえずお茶二人前よろしく。」

「はいはい。」

勝手知ったるようで富山さんが私と梨果にお茶を淹れてくれた。
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