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梨果の父サイドストーリー
第8章 老爺たちの視姦
「揚げたてポテトフライでーす。」

美しく通るその声と可憐な姿、年寄りばかりの広間の空気が一瞬で変わるのがわかった。

「「「梨果ちゃん!!」」」

厨房から梨果が出てきた。
その瞬間何人かわからないほどの人数が梨果の名を呼んだ。

「へっ?!な、なんですか?びっくりするなぁ。」

Tシャツにエプロン、頭に三角巾を巻いていた。ショートパンツから伸びる素足がなまめかしい。

「大きくなったねー!」

「うっわー!可愛くなったね!」

「すっかり女の子らしくなってー!」

「かわいいなぁ……」

褒めちぎる男衆……

「あ、ありかとうございます……えへへ」

ここにいる近所の者たちは幼少の頃から梨果を知っていた。

「まだ料理するの?」

「ううん、もう私は終わりましたよ。」

「じゃあここに座ってよ!おじさんたちとお話ししよーよ。」

「でも奥様たちがまだお仕事を……」

「いーからいーから。あとはオバチャン衆に任せときなって!」

「はぁ……」

座布団にペタンと座る梨果。エプロンの裾から覗くスラリとした白い脚を撫で回したくなる。

「おお…今や有名人だもんなぁ。そんな子がこんな目の前に!」

「テレビCMにも出てるもんなぁ。」

「やっぱりすごく綺麗になったね!」

「ついこの間までランドセル背負って歩いてたのにね。」

梨果の姿を見るのが久々という者が大半だった。しかし……

「あの頃より髪伸びたね。」

……そう。厄介なのはあの日いたメンバー、特に彼だ。

「え?あの頃っていつですか?」

ピンときていない様子の梨果。

「ほら、裸婦クロッキーの時。」

(か、川瀬さん!その話題を出すか?!)

「……自転車屋さん。」

「最高の日だったよ。ふふふ」

「そ、そうですか…」

「おう、俺らは梨果ちゃんの生の身体を隅々まで見てるんだよなー。」

「……」

梨果の身体を舐め回すように眺める川瀬さん。

「か、川瀬さん、その話はやめてください。」
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