この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
地獄視
第4章 憑依
そんな自分自身に嫌気がさしてね。
いつまでも売れないカメラマンとよく一緒にいてくれたと
感謝してるくらいだよ。
君はいいのか?
医者なんだろ?元彼氏は?
私は私の感じるままに心の赴くままに生きてるだけ。
私がこうしたいと心から思ったのよ。
それがたとえ間違った選択だったとしても
私は後悔しないと言ったはずよ。
それにしてもお互いに死神が見える体質だったなんて。
そうね。あなたには死神はいないわよ。
君もな。
良かったじゃないか。
これで良かったのかも。
私はあなたに死神が憑かないように見張っててあげる。
あなたに憑くようなことがあったら私に憑依させて
死神を抱いたまま地獄に堕ちてやるわよ。
人間誰しもが奪ったり奪われたりして成り立っている。
死神たちも大忙しよね。
私の知る限りでは死神に憑依される人は、人がしてはいけないこと。
それをやってる人…またはやってしまった人なのよね。
それはモラルだったり不貞だったり、人を殺めてしまったり。
そんな人が憑依されるみたいね。
私ね。生きてる方が苦しいと思うことがあるの。
だって、他人の寿命が分かってるって悲しいわ。
死神たちは、査定してるのかもね。私たちを。
死神が憑いてる人たちの頭の上でクルクル回ってる数字…
あれって寿命でしょ?
増えたり減ったりしてるわ。
人に与えてしまった悲しみの度合いで左右されるみたい。
カウントダウンしてる人までいる。
悪いことをしたら反省と償いの日々を過ごさなくてはいけない。
私はたとえ地獄に堕ちたとしても
あなたといたいと思った。
桐生は黙ったまま、慶子の言葉を聞きながらうなづいていた。
彼もずっと慶子と同じように思っていたんだろう。
彼女の言葉を無理に遮ろうとはせずにただ、喋るのを聞いていた。
だからね。あなたが死のうとした気持ちがよく分かる。
慶子たちは居酒屋を出て歩き出した。
見て!星があんなに綺麗だったなんて。
最近空を見上げることもなかったっけ。
慶子は空を眺めながら、つぶやいていた。
私ね。あなたと出会えて本当の私が取り戻せた気がする。
それはあなたのおかげかもしれない。
あの時あなたと出会うことがなかったら、今の私はないと思う。
あのとき、タクシーから降りなかったら。
あの時、彼氏に呼ばれて病院に行かなかったら。
そう思うとやはりあなたとは運命を感じてしまう。
ありがとう。崇さん
/18ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ