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混沌の館
第15章 千夏
 そして、当日。私は上越新幹線のホームで千夏の到着を待っていた。

 私も東京までは2時間ほどかかる。少し早めに到着して彼女を待つことにしたのだ。11時調度の新幹線。私の心臓はドックンドックンと音を立てていた。

 こんなに緊張したのは、夏希と会うとき以来ではなかったか。去年、出会い系サイトを始めて1年後、こんな形で遠距離恋愛をするなんて考えてもみなかった。それも、一度も顔を合わせたことのない相手と。


『5号車に乗ってますね』

『ピンクのワンピースに白のカーディガンを着てます』


 千夏から、どの車両にのっているか、どんな服装かを伝えるメールが届き、私はいよいよ鼓動の高鳴りを抑えきれなくなった。


 私も自分の服装と特徴をメールで千夏に送った。




『もう~、ドキドキして心臓が飛び出しそうです』


 それは、千夏も同じなのだろう。彼女からも緊張の様子がメールで報告されてきた。



 駅のアナウンスが新幹線が間もなく到着することを告げた。私の緊張は最高レベルに達していた。






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