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混沌の館
第6章 30代バツイチの美女

アパートの駐車場に車を止めて、久美にメールを送ると直ぐに、アパートの2階の一室から久美が出てきて階下に降りてきた。
「こんばんは、ごめんなさい。わざわざ迎えに来てもらって」
「こんばんは、いや、直ぐ近くだったし。それよりも、また会えて嬉しいよ」
そんなやり取りをしながら久美は助手席に乗り込んできた。
その日は、白いサマーニットのキャップを被り、同じく白いニットのワンピースを着ていた。身体にフィットしたワンピースは、久美の女性らしい滑らかな曲線を一層強調していた。
久美が乗り込むと、車内に甘い香りが充満した。
こんな風に女性を助手席に乗せるのは何年振りだろう?自宅にいる時は、いつも隣には妻が座り、子供たちが後席に座る。
子供の土臭さとお菓子の匂い。妻が好きな楽曲を背景にわいわいがやがやと雑然の中で運転手として車を走らせる事に、いつしか慣れ切っていた。
お気に入りの軽快なポップスを控えめの音量で流しながら車を走らせる。
その夜は、郊外あるスペイン料理店に行くつもりだった。少し高くつくがファミレスとは違って落ち着いた雰囲気のなかで食事ができる。
時刻は、20時を少し過ぎた頃だった。久美も私も翌日は仕事だが、23時くらいに帰れれば良いということでお互いに一致していた。
スペイン料理店は車で30分ほど走ったところにあった。お洒落な煉瓦造りの洋館が適度な樹木で囲まれていて、程よい雰囲気を醸し出していた。
駐車場は薄暗く、私が手を差し出すと、久美はそっと手を添えてくれた。
そのまま手を添えた状態で店内に入り、受付で人数と禁煙席希望を告げる頃には、絡めるように握り合っていた。
「こんばんは、ごめんなさい。わざわざ迎えに来てもらって」
「こんばんは、いや、直ぐ近くだったし。それよりも、また会えて嬉しいよ」
そんなやり取りをしながら久美は助手席に乗り込んできた。
その日は、白いサマーニットのキャップを被り、同じく白いニットのワンピースを着ていた。身体にフィットしたワンピースは、久美の女性らしい滑らかな曲線を一層強調していた。
久美が乗り込むと、車内に甘い香りが充満した。
こんな風に女性を助手席に乗せるのは何年振りだろう?自宅にいる時は、いつも隣には妻が座り、子供たちが後席に座る。
子供の土臭さとお菓子の匂い。妻が好きな楽曲を背景にわいわいがやがやと雑然の中で運転手として車を走らせる事に、いつしか慣れ切っていた。
お気に入りの軽快なポップスを控えめの音量で流しながら車を走らせる。
その夜は、郊外あるスペイン料理店に行くつもりだった。少し高くつくがファミレスとは違って落ち着いた雰囲気のなかで食事ができる。
時刻は、20時を少し過ぎた頃だった。久美も私も翌日は仕事だが、23時くらいに帰れれば良いということでお互いに一致していた。
スペイン料理店は車で30分ほど走ったところにあった。お洒落な煉瓦造りの洋館が適度な樹木で囲まれていて、程よい雰囲気を醸し出していた。
駐車場は薄暗く、私が手を差し出すと、久美はそっと手を添えてくれた。
そのまま手を添えた状態で店内に入り、受付で人数と禁煙席希望を告げる頃には、絡めるように握り合っていた。

