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想い人
第5章 新たな想い人
トイレを済ませ席に戻る。

透也を囲む女性客。私と同世代くらいの女の子が3人。

「マジでイケメンッ」

「うちらと遊ばない?」

「プリクラ撮りたい!」

困った顔の透也に気付かないのか、キャーキャー言いながら3人で盛り上がっている。


「無理」
冷たくそう言って窓の外を見る透也。


「ていうか、マジカッコイイ」
ほーっと甘いため息が出ちゃう。


「は? 誰アンタ」

3人の後ろで透也に見惚れていた私に、3人から冷たい視線が注がれる。


「へへっ、私、透也の彼女」


「はぁ?」

3人からの視線が更に冷たくなったけど、全然気にならないよ。透也が、私を抱き寄せてくれたから。


3人からの罵声も聞こえない。透也が耳元で囁いてくれるから。

「美空、今夜俺の部屋泊まって?」
言いながら透也の唇が私の耳に触れる。


透也っ…甘過ぎるっ…‼︎

外は雪がチラホラ降り始めていたけど、私は耳まで真っ赤に熱を持っていた。

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