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想い人
第5章 新たな想い人
透也の部屋が温まるまで、ベッドの中で布団に包まる。


「随分遅くなっちゃったけど、誕生日おめでとう」

透也の手から、可愛くラッピングされた袋を渡される。

「え……?」
中から出てきたのは、私が大好きな”シュシュ”

「美空、こういうの好きなんだろ?」

「私がシュシュ集めてるの、知ってたんだ⁉︎ 」

パーマを掛けてから髪は結んでない。

でも、その前はお気に入りのシュシュで髪をツインテールに結ぶのが好きだった。

透也…気付いてたんだ……。


光沢生地の黒が主体でその周りを黒のレースが覆う。
小さなパールが光沢生地に絡みつき、リングが嵌められている。

「すごい…かわいい……ありがとう」

じわっと涙が溢れる。

嬉しくて笑いたいのにな。
泣き顔じゃ笑えない。


トンッ
目の前の厚い胸板に顔を埋めれば、力強い両手がギュッと抱き締めてくれた。

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