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想い人
第7章 【続】第二章・絶対私の想い人
「美空……水……」

怪訝そうな視線をこちらに向けて、透也が手を差し出す。


……心配してるの?

片山さん、演技してるんだよ?

透也、気付いてないのかな?


「……口移しはダメだからね」

何とかそれだけ口にして、私はグラスを透也に渡した。


「片山さん、水」

言いながら、透也は片山さんの口元へグラスを近付ける。

「あ…‼︎ 」

「きゃっ…冷たいっ」

見ててイラっとする程わざとらしく、片山さんは豊満な胸元に水を零す。


「ごめん…っ…美空…タオル……ぶっ‼︎ 」

私の投げ付けたタオルが透也の顔に命中する。

(バカ透也! こんな典型的なのに引っかからないでよ)


イライラする。

あからさまな片山さんの態度も、いちいち赤くなる透也も!

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