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想い人
第8章 【続】第三章・勘違いの想い人
1周年まであと1週間。
透也は予定があるとかで暇な日曜日。

思い付きから、今日挑戦するお菓子は”プリンカップケーキ”に決定!

完全オリジナル!

だからコレ、焼き上がったのかもわからない……。


「プリンぽいと言えばプリンぽいけど……食べても平気かな?」

オーブンから取り出したプリンカップケーキ。

見た目にプリン。

これって、プリンだから?

それとも、焼けてない?


「うーん…食べてみるか……」

恐る恐るプリンカップケーキをスプーンで掬ってみた。


─────プリン?

やっぱり見た目はプリン。匂いも プリン。硬さもプリンぽいかな。


パクッ

「うーん、なんて言うかこれ…美味しくはない」


4つ焼いたプリンカップケーキのうち、3つまでは完食。

プリンの味と匂いのおかげで、すっかりプリンを食べてる気分。

でもなんて言うか……全然カップケーキ感がない!


「プリンカップケーキにするくらいなら、普通にプリンの方が美味しいかも」

なんて呟きながら、最後の1個に手を伸ばした時、


ガチャッ
玄関から音がして、お母さんが帰宅した。

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